インドネシア・ジャワ島中部の古都ジョグジャカルタ近郊にあるボロブドゥール寺院は、世界最大の仏教遺跡。森林地帯やジョグジャカルタ最高峰を誇るメラピ山に囲まれたケドゥ盆地に位置し、辺りは神秘的な雰囲気に包まれています。今回は、多くの観光客が足を運ぶ人気観光スポット「ボロブドゥール寺院」をご紹介していきます。
ボロブドゥール寺院はどんなところ?

ボロブドゥール寺院は8世紀に栄えたシャイレンドラ王朝(760〜850年)によって建てられたとされていますが、誰が何の目的で作ったのか詳しいことは分かっていません。建物は石造りで、約200万個もの安山岩のブロックの上に建てられており、高さは約36m。9層のピラミッド構造をしており、どの角度から見ても圧巻です。最下層は「欲望界」、上に昇るにつれ「色界」「無色界」、最上層は「天上界」を意味し、仏教における宇宙観を示す「曼荼羅」を立体的に表現したとされています。

方形の4層の回廊には、ブッダの物語や仏教説話がびっしりと彫刻されています。これほど存在感のある巨大な石造建築物であるものの、1814年イギリス人のラッフルズによって偶然発見されるまで姿を消していました。1842年にオランダ人のハルトマンによって本格的な発掘調査が始まり、以降遺跡の大部分が掘り出され現在の形となっていきました。

「仏像に触れると幸せになれる」ストゥーパは人気のパワースポット

回廊のレリーフはどれも素晴らしく見入ってしましますが、回廊に配置された仏像も見逃せません。仏像は壁の仏龕に計432体、ストゥーパと呼ばれる仏塔が72基あり、中にも一体ずつ仏像が納められています。「クント・ビモ」と呼ばれる仏像が納められており、ストゥーパの穴から手を伸ばし、女性は仏像の右足小指、男性は右手小指に触れると願いが叶い、幸せになれると言われています。歴史的建造物としてだけでなく、パワースポットとしても人気を集めています。
最上階の中心部には、直径16.25メートル、高さ12.8メートルの仏塔があり、何らかの理由によりわざと未完成のまま安置したと考えられています。最高の悟りを開いたブッダを表現したという説や、ブッダもまた求道者の一人にすぎないことを表現したという説もありますが、詳しい事は分かっていません。

夜明け前に訪れると、頂上からは仏教の聖地にふさわしい日の出の絶景を望むことができます。ボロブドゥール寺院から東方向へ直線上に並ぶ「ムンドゥッ寺院」と「パオン寺院」もボロブドゥールの仏教寺院群に含まれる世界遺産。ぜひこの二つの遺跡も併せてさまざまなスポットを楽しみましょう。
ボロブドゥール寺院遺跡群までは、ジョグジャカルタ市内からはバスで約2時間、ジョグジャカルタ空港からは車で約1時間30分。ぜひ一度ボロブドゥール寺院遺跡群を訪れて、古代の魅力を体感してみてください!
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