インドネシア、新型コロナウイルス感染確認10万人超に
インドネシア政府は7月27日、国内の新型コロナウイルス感染者数が10万303人になったと発表した。死者数は4838人となり、東南アジア最多の記録となった。インドネシア各州政府は経済活動再開を優先して活動制限を緩和しており、まだまだ収束の目処は立っていない状況だ。
政府はPCR検査の件数を増やしていることが感染者数の増加につながっていると考える。市民が日常的に利用する伝統的な市場での感染例が多く、無症状者からの感染も広がっているとみる。PCR検査体制を現状の1.5倍の1日3万件に拡大し、早急に感染者の特定をする必要がある。
ジョコ大統領は27日に行われた新型コロナウイルス対策の関係閣僚会議で「ワクチンが利用可能になるまで健康の確保策が最優先だ」と強調。首都ジャカルタ特別州など8つの州に陽性者の7割が集中していると指摘し、検査や感染の経路特定の取り組みを強めるよう求めた。
失業者が300万人増えると懸念されている中、政府は再び企業活動などへの制限を強めることは極力避け、経済活動の再開を優先させたい考え。これに対して専門家からは状況は深刻だという指摘も相次いでおり、感染拡大防止と共に適切な時期での経済活動の再開も必要となる。