竹筒製ガムランの音色が美しいバリ島の伝統音楽「ジェゴグ」
インドネシア・バリ島の伝統楽器といえば、青銅や鉄でできた「ガムラン」が有名ですが、竹製の琴を使って音楽を奏でる「ジェゴグ」も有名です。バリ島でもジュンブラナ県でしか聴くことができず、ジュゴグの名前には「深い」「偉大な」という語源が含まれています。バリ島へ訪れるとたびたび耳にするジェゴグはどんな楽器なのでしょうか?
ジェゴグってどんな楽器?
インドネシア・バリ島の伝統楽器「ジェゴグ」は竹筒製ガムランの一種で1912年頃、バリ島西部ジンブラナ県ヌガラ郡で誕生しました。ほかの竹筒製ガムランと異なり巨大な竹筒を使うところが大きな特徴で、通常のバリ・ガムランが5音階で演奏されますが、ガムラン・ジェゴグの音階は4音階になっています。大小異なる大きさの竹琴を14台使って演奏します。各竹琴にはそれぞれ名前が付いていますが、ジェゴグというのは14台の中で一番大きい竹琴の名前です。オランダ統治時代、その巨大な竹が武器になるとの理由で一時ジェゴグの演奏が禁止されていました。
体全体で感じるジェゴグの音楽
ジェゴグの音は「耳」だけでなく、「体全体」で感じる音楽と言われていて、重低音は体に迫り、さらに細い竹の高音や様々な太さの竹の音色が重なり空気を伝って体全体に響き渡ります。演奏には楽譜はなく、旋律やリズムを複数の奏者で分割、分担し音楽を奏でます。毎年8月にジュンブラナ県で開催されている「ジュンブラナ・アート・フェステバル」では、数多くのグループによるジェゴグの演奏が披露されたりとさまざまな場所で公演が行われ、地元の人々や観光客に親しまれています。最近では竹琴本体の竹筒に割った竹を付け、叩いて音を出す演奏方法が主流になっています。