インドネシア、都市封鎖の躊躇と医療体制の不安
新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う死者数が増え続けているインドネシア。現状もロックダウン(都市封鎖)を選ばず、日本に似た対策を行なっています。しかし、感染は拡大の一途を辿り、欧米の次に爆発的に広がるのではないかという懸念がもたれています。いつもは自家用車で大渋滞している首都ジャカルタは閑散としており、不安が広がり続けています。
もしも人口約1000万都市とされるジャカルタ首都圏を都市封鎖した場合、その日暮らしで生計を立てている低所得労働者、失業者などが「生活物資」や「食料品」の不足で商店襲撃や略奪など暴動の火種となる可能性が高いとみられています。このような治安悪化などの懸念から、現在もインドネシアは都市封鎖に踏み切れない状況が続いています。
また、インドネシアでは日本の緊急事態宣言と似た外出自粛の要請や公共施設などの休業を1カ月以上続けています。首都ジャカルタにおいて政府が業務を認めた企業は約200社のみで、100万人を超える人々が在宅勤務を行なっている状況。
その一方で感染者は毎日数百人単位で増え続け6500人を超え、死者は東南アジアで最多の582人に上り、医療体制の脆弱さが指摘されています。